2012年5月24日木曜日

バベルの犬

キャロリン・パークハーストという人の長編デビュー作。名前を聞いたこともない人の作品で、たまたま手に取って読んでみただけなんですが、どう書けば良いんでしょうか。確かによく書けた小説だとは思うのですが、以前にこのブログで紹介したジョン・アーヴィングフィリップ・ロスの作品と比べると見◯りしますわね。ま、キャリアの長さが違うんだからそんなの当たり前なわけなんですけど。。。言語学を専門とする大学教員(主人公)の妻が木から落ちて亡くなるという事件から物語は始まるのだが、この妻の死を機に、主人公がこの女性とのそれまでの関わりを「検証」していくというお話です。人というのは何か「事」が起こらないとなかなか気づけなかったり、注意深く考えなかったりしますが、そのことをふと思い出させてくれる作品です。もし誰か(たとえば彼氏や彼女)に何かを気づかせたかったら、「事」を起こすと良いと思いますよ。「事」、というのはそうですね・・・この作品のように別に命に関わる事でなくとも、相手に「えっ」と思わせるようなことですかね。そして、相手にいろいろと思い当たる節について想像してもらうんです。ま、時にはその人との関係性が崩れてしまうかもしれないので、リスクはあると思いますが。。。

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