2012年9月9日日曜日

ローリスク・ローリターンな生き方

うちの4年生は臨床実習が終わって今就職活動をしている。銀行やらメーカーやら商社やらといったいわゆる一般企業に対する就活ではないので、始動も4年の今頃からなんですよね。「見学」と称してせっせと病院巡りをする学生もいますが、たった一カ所に訪問して双方合意の上、即決し
てくる子もいます。

僕もこの時期になると、就職について彼らにアドバイスすることがあります。まあ、気の利いたことが言えれば良いとは思うのですが、僕に助言できることって限られているんですよね。

その子によってそれぞれ事情は異なるだろうし、給料とか、勤務体系とか、病院の規模とか、職場の雰囲気とか、やりたい理学療法がそこで出来るのか、実家から通えるのか、そういった諸々のことを総合的に考えて決めたら?みたいな、結局は誰にでも言える平凡なアドバイスになってしまうんですよ。

で、これはアドバイスというわけではないんだけど、気心がある程度知れてる学生たちとは、理学療法士って収入面ではローリスク・ローリターンだよな、なんて話をすることがあります。

プロ野球選手なんかとは違って仕事上のパフォーマンスが悪くて戦力外通告を受けるなんてことはまずないし、自営業と違って一生懸命仕事をしている以上、月の収支が赤字になるなんてこともない。うまく治療できても出来なくても、表立ったトラブルでも起こさない限り、毎月毎月、決まった日に決まったお給料が銀行口座に振り込まれる。悪くないですよね。至ってローリスクだと思います。

でもリターンのスケールに目を向けると、初年度って、たいてい350前後じゃないですか。これが1年毎に1〜2%増えていくんですかね。いろんな人の話を聞いていると2%はなかなかないみたいだけど。。。

計算してみますね。1%だと、2年目は350*1.01 = 約354。2%だと、350*1.02 = 357。10年経てば、350*(1.01)^10 = 387、もしくは350*(1.02)^10 = 427。単純な複利計算で出てきます。参考までに350が倍の700になるまでの時間を求めてみると、2%だと35年(22歳で就職したとして57歳)。1%だと70年(92歳...)かかります。

資産運用に例えて言えば、値動きの激しい新興国の成長株なんかじゃなくって、30年物の日本国債(今日時点で年利約2%)を買うようなものですね。日本国債って世界的に見ればローリスク・ローリターンな金融商品ですから。

別にローリスク・ローリターンが良いとか悪いとか言ってるわけではないし、リスクやお金なんか関係なしに仕事が楽しければそれで良いんだという人もいて全然構わないわけだけど、施設勤務の理学療法士ってそういうポジションだよなって、この時期になると学生とお話するんですよね。

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