それはですね。学生の存在なんですね。
大きな学会に行くと、確かに学生も参加はしてるんだけど、ディスカッションに本当に参加できているかというと、なかなかそうはいかないんですよね。それは学生の知識が不十分だといった単純な理由もあるんだろうけど、場の設定の仕方にもいろいろと問題があるのかもしれない。
たとえば、大きな会場だと質問一つするのもなんかエラい大層な感じになって、質問の内容よりも質問すること自体に意味を見い出してる人たちが時間を食っちゃうじゃないですか。なかなか素朴な質問したい学部の学生まで順番回って来ないよね。
そういう意味では、今回のCBRはラウンドテーブルで出来ちゃって、おまけに全員が一人づつ発表できたから学生にとってもかなり有意義なマイタイムを過ごすことが出来たんじゃないかと思う。発表時間もよくある学会だと5分そこらのところが15分もあったわけだしさ。
それにですね。ステージの違ういろんな人たちが集まることで、良い意味で位置エネルギーが働いたように思うね。格差のあるところに流れは生まれるんですよ。
人間って、やっぱ恥ずかしい思いをしたくないっていう気持ちを持たないと、なかなか学べない動物なんだと思う。授業で何のプレッシャーも無い中でノート取ってても、本当に何かをモノにすることって難しいんだよね。
そういう意味では、自分で考えた研究プランを普段接することのないプロのセラピストたちの前で話し、ディスカッションしたことは、学生たちにとって得難い経験になったんじゃないかと思う。また、セラピストの側にとっても普段親密に接する機会もそれほどないであろう学生たちと関わることで、いろんな気づきがあったんじゃないかと思う。
そしてですね。今回はこれにおまけがあって、国際会議場での会議の後、ある学生にとっては集団的家庭訪問となる懇親会をやったわけですよ。というのは、僕のラボのS君ご家族のご好意で、盛大なる野外BBQ大会を開催したんですが、午前中の会議が押して、時間が足らなくなったところを、ちょっと機転を効かして、S君の発表をこのBBQ大会で行うことにしたんですよね。
こうすることで、S君のご両親・ご家族も、S君が大学で何をやっているか直(じか)に垣間見ることができるじゃないですか。特別授業参観です。。。
で、これも思った以上になんかエエ感じで収まっちゃって、今回は主に研究に関する学会だったんだけど、スゴく教育的にも有意義な、エジュケーショナルな集まりにもなったわけです。
研究とか教育とか臨床とか、とかく分けたがる人もこの世の中には少なからずいるわけだけど、少なくとも「研究は一つの教育ツールなんだよ」ってそういう人たちにちょっと優しく教えてあげたくなるような、そんなCBRサマーでした。
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