2015年6月30日火曜日

折り返し2015

今日で6月も終わり、2015年の半分が過ぎました。マラソンの時にぐるっと旋回する折り返し地点のような感じです。大抵のコースは折り返しまでは登りで、そこを過ぎたら下ることが多いように思うのですが(根拠はないけど...)、前半、周りのランナーにつられて飛ばしすぎたりしてるとガス欠するんですよね。僕自身はそこそこ良いペースでここまで来たように思いますが、ここからまたキロ5秒くらい縮めていきたいですね。実際は5秒づつ遅れていくのかもしれないけど...。明日からCBR2015の参加受付開始ですv

2015年6月29日月曜日

データ量が膨れてくると

ここ数年、短期記憶が下がった気がするね。いや、歳を重ねて脳の容量が一杯になってきたのかもしれないけど。。。つまり検索コストが上がってきたということだ。参照するデータ量が膨れてくると、それを整理整頓し必要な時に必要なものだけを取り出すためのアルゴリズムの改良が求められることになる。歳を取ると物忘れが激しくなると言うけれど、アレって単に忘れるだけではない気がする。記憶を適宜取り出すことが出来ないのだ。検索エンジンをGoogle並みにするためにはどうすればよいか。これも僕の研究テーマの一つだね^^

2015年6月28日日曜日

ちょろっと研究して...

今夜も研究のお話を。正確に言うと大学院生のお話です。先日、「とにかく行かない方が良いです」というブログを書いたんですが、うちの院生からクレームがつきました。。。どんなブログだったかと言うと、「本物の研究者になりたかったらリハビリ系の大学院に行ってはいけない」というものです。僕の研究室も含めての話だったので、「先生、あんな言い方したら誰もココに来ないですよ...」ということなんですが、まぁ、それはそれで狙って書いてるので仕方ないですね。あ、別に誰も来なくて良いと言ってるわけではなくって、あのブログの内容を理解した上でコンタクトしてくれる人がいると良いなということです。修士なら2年、博士なら3年という院が多いでしょうが、その間、フルタイムの仕事の合間にちょろっと研究して、そんな本物の学者になれるわけないじゃないですか。普通に考えて...。ま、「本物」の基準も人それぞれだろうから、日々の仕事の片手間にリハビリ系の大学院でそういうの目指してるつもりの人もいるのかもしれないけど、僕はちょっと違った風に考えているということです。たぶんこれでも伝わらない人には伝わらないのかもしれないけど、それを研究指導を通してお伝えするためにも本物志向の人にはうちの研究室に来てもらいたいなと思っているわけです。この話は今後まだまだやる必要があるだろね。

2015年6月27日土曜日

金貨を生み出すニワトリ

最近、土曜日は一日断続的にラボミーティングをすることが多い。朝、2時間ほどして、ランチタイムにもう一度して、そして夕方また小1時間やるわけだ。合わせると一日3〜4時間はしてますね。今日もなかなか良いミーティングで新しい実験プランが具体的に3つほど出来た。やはり研究を進めて行く上で概念上のフレームワーク(framework)があるとやりやすいですね。ぽんぽんポンポン新しいプランが出てきます。単なる断片的な知識などではなく、こういうアイデア創出の源泉になるものが知的財産と呼ぶべきものなのだと僕は思う。金貨ではなく、金貨を生み出すニワトリです。来週からは新たに学部生がメンバーとして加わることになる我がラボですが、こういう価値観を知ってもらうこと、それを意識の中核に植え付けてもらうこと、そしてそれらを基に仕事のやり方を習得してもらうことが僕にとっての学生教育または研究者教育の根幹となります。

2015年6月26日金曜日

難しいんですよね。

今日はお昼の授業の後、大学の会議を二つハシゴした。どちらも大学を魅力的にするための会議で良い会議だとは思うんだけど、どれだけ効果が出ているのか測るのはなかなか難しいんですよね。結局は他校との競争であり、限りのある受験市場で入学者を取り合うわけです。それでどこも似たり寄ったりの集客法使ってるからなかなか差別化するのも難しいんですよね。リハビリに限ってみても、うちはそんなに業界内でプレゼンスが高いようには思えない。この前の学会でも「もったいないですよね...」と言う人は少なからずいた。ま、なんか冴えないってことなんだよね。結局のところは...。もちろん「底」というわけではなく、十分に平均かそれ以上だとは思うけど、キラキラ光るものがあるかって言うと、それはそれで難しいんですよね。

2015年6月24日水曜日

とにかく行かない方が良いです

先日、ある学生の大学院進学について相談に乗ってたんだけど、学部の学生は実は研究者志望の学生であったとしても研究者の世界や学問の世界のことをほとんど知らない。ま、理学部なんかだとそんなこともないのでしょうが、リハビリ系だとそんなもんです。それでいろいろアドバイスしてたんだけど、本物の研究者になろうと思ったらやはりリハビリ系の大学院というか、セラピストが研究指導している大学院には行かない方が良いと思う。それは僕の研究室も含めてです。このことを説明し出すと長くなるので今夜は書きませんが、結論としては、とにかく行かない方が良いです。でも、その学生と話しながら思い至ったことなんだけど、工夫すればそれはそれで上手い使い方もあることは確かなんですよね。そういう意味では僕の研究室でも本物目指す人たちの育成に関われるかもしれない。それがどういうことかはここではナイショにしとくけど。ちなみに、大学院生募集してます^^

外れでした...

昨夜このブログに書いた1年生への授業ですが、結論から言えば、外れでした(笑)...。これまで自分がどんなことしてきたかも含めて理学療法士としての進路の可能性について話をしたのですが、そういう話にはあまり関心がないようで、途中でクラスの半分くらいの学生が突っ伏して寝てしまいました...。僕もそういうの見ながら途中で一生懸命話するのバカバカしくなってきて、エネルギーを無駄に消耗するのも勿体ないので、燃費走行に切り替えそのまま最後まで流し切りました。あ、いやいや、走り切りました...^^。一応、僕に与えられたコマは埋める義務がありますんでね。こちらが伝えたいと思うことと学生が興味を示すことはいつもいつも重なるというほど簡単ではないんですよね。ま、このクラスに限ったことではなく、こちらが大事だと思うことを話してる最中に学生が寝てしまうなど、全く聞く気がなかったりすると、将来、この子たちに診てもらうことになる患者さんたちってホント気の毒だなぁって思うんですよね。たぶん、本人たちはそんなこと全く気づいてないんでしょうけども。

2015年6月22日月曜日

面白い人は面白い

明日は1年生の授業で理学療法士のキャリアパスについて話する。僕の自己紹介も含めての話になるので自分の宣伝もかなりすることになるのだろう。ま、1年生相手にセールストークかましてもあまり意味はないとは思うけど、僕がやってることとかやりたいこととか知ってもらって、そのうち何パーセントかの学生に興味を持ってもらったら彼らのためにもなると思う。よく、「若い人たちと一緒にいたら元気になるでしょ?」なんて言う人いますが、そんなことないですよ。基本、若い人たちって、経験もないし、ボキャブラリーも乏しいので関わっても退屈なんですよね。それよりは、面白いお年寄りとお話する方がよっぽど元気が出る。ま、たぶん、歳は関係ないね。面白い人は面白い。理学療法士になってからもいろんな進路があると思うが、そういうの考えるのが楽しいと思える学生が今年は何人いるのだろう。明日が初の顔合わせ。

2015年6月21日日曜日

ほったらかしで

今日は和歌山に出張だったんですが、その前に息子(小4)の学力テストがあって、とある塾の先生の話を聞きました。塾のオープンキャンパスみたいなものです。僕自身は親がほったらかしでこういうリソースを活用して勉強した経験はないんですね。でも大人になっていろんな層の人たちと付き合うようになり、そういうシステムを使って教育を受けている子供たちがいることを知りました。いや、ほんと世の中にはいろんな家庭があって、これは勉学に限ったことではないけれど、子供たちの力ではどうにもならない大きな不平等(もともとの環境の違い)の中で子供たちは一律に競争してるんですよね。家庭に経済的な余裕があるかどうかということもあるだろうけど、親の価値観というか、親がどのような人生を送ってきたかも子供の生育環境に大きく影響を及ぼすことは間違いない。学習塾というのは僕が子供の頃からあるけれど、そこでの教育は改良に改良を重ねて公立の学校でのやり方とは比べ物にならないほど洗練されているように思いました。普通にやれば、こういうヘルプが有るのと無いのではそりゃ差がつきますよね。

2015年6月20日土曜日

CBRサマースクール

先日よりCBRの年に一度の学会、CBR2015をご案内していますが、今夜はサマースクール、‘CBRサマー2015’の紹介を。

以前にちらっと理学療法士などセラピストのためのリサーチアカデミーを開講するとお知らせしたことがあるのですが、このコースと今年1月〜3月までの間開講したニューロアカデミーを合わせて短期集中講座として開講します。

目的は、端的に言うと、セラピストの研究リテラシー、科学リテラシーの向上です。

二つのコースをセットで受講して頂くことも可能ですし、一つだけの受講も可能です。

詳細は追ってご案内させて頂くとして、まずは日程をお知らせします。

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CBRリサーチアカデミー第1期(全3回隔週日曜)
2015年7月26日(日)10:30〜18:00
2015年8月09日(日)10:30〜18:00
2015年8月23日(日)10:30〜18:00
会場:神戸市内(地下鉄沿線)
定員:12名
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CBRニューロアカデミー第2期(全3回3日連続)
2015年8月28日(金)10:30〜18:00
2015年8月29日(土)10:30〜18:00
2015年8月30日(日)10:30〜18:00
会場:神戸学院大学有瀬キャンパス
定員:12名
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興味のある方は今から日程を確保しておいて下さい。

申込受付は近日中の予定ですが、もし今からお席の確保をご希望される場合は cbr@toshiz.net にメールをお送り下さい。特別に講義内容や受講料等についてもご案内します。

スクールの詳細は、今後このブログならびにCBRのFacebookページで順次お知らせしていきます。

お楽しみに☆

CBR2015概要です

先日、CBR2015に向けて「学会長からのメッセージ」をしたためましたが、今夜は全6つのセッションとナイトセミナーの概要を書いてみました。

7月1日から一般参加のお申込みを受け付けます。

会期:2015年9月12日・13日
会場:淡路夢舞台国際会議場/ウェスティンホテル淡路
定員:50名
会費:受付開始時に公開します

プログラム
http://stellar-mind.com/cbr2015/program2015-06-16.pdf

主催:脳とリハビリ研究所(CBR)

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第1セッション:神経系リハビリテーションの治療ターゲット
座長:松山リハビリテーション病院 山崎 倫

このセッションでは脳・認知系の成り立ちを基に、脳卒中後片麻痺ならびに神経変性疾患に対するリハビリテーション治療のターゲットについて討論します。セラピストによる治療介入が何を狙ったものなのか。患者の神経または認知機構にどのように作用することを期待するものなのか。臨床における治療仮説の組み立てとセラピーの実際を中心に議論を進めます。

第2セッション:ニューロリハ教育の構造と未来〜わたしの卒前・卒後教育〜
座長:ボバース記念病院 阪本 誠

リハビリ専門職者に対する神経系リハビリテーションの教育の現状と今後について討論します。個々の講演者の教育体験をもとに、我が国の神経系リハビリテーション教育が依拠する知の体系、そしてその根底にある価値観を探り出し、現状における問題点と今後の方向性について議論します。

☆ ナイトセミナー:次世代型ニューロセラピーに向けて
座長:神戸学院大学 坂本 年将

昼の部第1・第2セッションの内容を踏まえ、次世代における神経系リハビリテーションの在り方と、それを実現するための戦略(研究・教育の推進を含めた幾つかのアイデア)について討論します。本セミナーは学会2日目の内容にも繋がるものであり、本学会において中核的な役割を担うセミナーとして位置づけています。

第3セッション:リハビリテーションにおけるニューロテクノロジー〜想いをカタチに〜
座長:かねこ整形外科/畿央大学 中野 英樹

ヒトを対象とした脳機能研究は近年盛んに行われており、リハビリテーション医療への応用も積極的に試みられている。臨床での使用を考えた場合、その適応と限界、ならびに補足的に使用可能な代替手段の存在を理解しておくことは適切な治療介入を行う上で必須である。このセッションでは、fMRI、EEG、fNIRSなどの脳機能計測の臨床応用とその限界、ならびにそれらを補う手段としての身体運動計測法について討論します。

第4セッション:一般演題(ポスター)
座長:徳島文理大学 桃井 克将

ポスターセッションはご自由に討論下さい。発表者はご自身のポスターの前で質疑に対応願います。

第5セッション:リハ的コミュニケーション論
座長:神戸学院大学 坂本 年将

「コミュニケーション」をキーワードに、ソーシャルワーカー、言語聴覚士、公衆衛生学を専攻する大学院生(理学療法士、MPH candidate)の視点からそれぞれお話いただきます。学際色が際立つ‘特別セッション’として仕立ててみました。

第6セッション:神経系リハビリテーションにおける臨床推論
座長:Physio Study Kyoto 永井 豊美

臨床推論は医療者が医療を適切に行う上で最も重要なスキルの一つであり、また、「推論」はそれ自体、脳科学や認知科学における興味深い研究対象の一つである。この最後のセッションでは、専門的バックグラウンドの異なる4名の講演者が、それぞれ考える臨床推論について講義し、それを基に推論の基本・本質、そして疾病・障害に応じた適用について議論します。

2015年6月19日金曜日

更なる楽しさを求めて

今夜はまだ大学のオフィスで仕事してるんだけど、ちょっと一息、雑談を。これまでも怠けていたわけではなかったのだが、もっと仕事や勉強をせんといかんと思う。今よりももっと若い頃は仕事したり勉強したりするのが楽しくて楽しくて仕方がなく、一年中ほぼ休む日なくやっていたものだ。でもいつからか、手を動かしながらも自分を楽しませるのが次第に難しくなってきた。閾値が上がったのか憧れがなくなったのかその理由はとても複雑に絡み合ったものなのだろう。燃え尽き症候群とは少し違う。なぜなら「尽きた」という感覚は抱いたことがないからだ。更なる楽しさを求めて。どこに出口があるのやら...

2015年6月17日水曜日

CBR2015学会長からのメッセージ

9月12日・13日、淡路夢舞台国際会議場にて開催の【CBR2015】に向けて「学会長からのメッセージ」を書いてみました。7月1日より参加受付を開始します。

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CBR2015学会長からのメッセージ

皆さん、こんにちは。脳とリハビリ研究所の坂本年将です。今年もCBR学会を開催します。"CBR"というのは "Center for Brain and Rehab" (脳とリハビリ研究所)の頭文字をとったものです。約3年前、2012年9月22日に Facebook 上に設立した研究所です。それまでかなりしばらくの間(十数年以上)リハビリの世界から離れていた私なのですが、この研究所の最初の事業として配信を始めたメールマガジン【脳とリハビリ】が思いのほか好評で、そこをご縁にいろんな方々との出会いが始まり、今に至ります。

この学会は2013年8月に「CBRサマー2013」として始まりました。CBRの事業としては2番目のものとなります。リゾート地での新たなスタイルの学会を目指し、その会場を淡路夢舞台に設定しました。学会テーマは「レジェンドを始めよう」。日本神話の中で日本発祥の地とされる瀬戸内海諸島の一角から、脳とリハビリの新たな伝説が始まることを祈念しました。

昨年の学会「つながるカルチャー」を経て、今年は「TEDのように〜ideas worth spreading」を学会テーマに開催します。TED(Technology Entertainment Design)とは、「広める価値のあるアイデア(ideas worth spreading)」をスローガンに、カリフォルニア州ロングビーチなどで毎年世界的な講演会を主催しているアメリカの非営利団体です。その様子を動画に収めた「TEDtalks」は、今、ネット上で最も人気のある動画番組の一つです。カンファレンスが開催され始めた1984年当時は「極々身内のサロン的な集まり」だったようですが、この部分だけ切り取ると、現在のCBR学会に重なるものがありますね。

今回の学会ではこの‘TEDコンセプト’を拝借し、脳とリハビリに関する「広める価値あるアイデア」を集約すべくプログラムを作成しました。日本全国から12名の方々にスピーカーとしてお集り頂きます。一般演題発表(ポスター)も募ります。夜の部ウェスティンホテル淡路での夕食会、ナイトセミナー、懇親会を加えると、少なくとも16時間にわたるロングランな学術会議となります。

プログラムは6つのセッションから構成しました。各セッションにおいて25分間のショートトークを積み重ね、神経系リハビリテーションのメカニズム、教育、テクノロジー、コミュニケーション、臨床推論について、広める価値あるアイデアを発信していきます。講演のスタイルは学術理論、実験研究、臨床経験論に基づくものを組み合わせ、通常の勉強会、研修会、学会などでは得難い多角的な視点と議論の場を提供します。参加者定員は50名限りですので、大規模学会によくある「満席御免」もありません。神経系のリハビリテーションに関心のある研究者、臨床家、学生なら誰でもが「当事者」として楽しめるはずの内容となっています。

また、この学会では講演ばかりではなく、参加者間での対話を重視しています。1日目のナイトセミナーでは、昼の第1・第2セッションの内容を踏まえ、「次世代型ニューロセラピーに向けて」と題し、座長ならびにパネリストを中心に参加者全員で神経系リハビリテーションの臨床、研究、教育の未来について語らいます。2日目第3・第6セッションでは、すべての講演終了後にスピーカーらによる座談会を設け、ニューロテクノロジーと臨床推論についての理解を深めます。ポスターセッションはフリーディスカッションです。形式にとらわれることなく、ざっくばらんに意見交換して下さい。

昨年CBR2014に向けてのメッセージにも記したことなのですが、この学会に参加頂きたい人たちはこんな人たちです。

* 脳とリハビリに関わる様々なテーマに広く関心が持てる人
* 脳とリハビリの個々のテーマを様々な視点から考えたいと思える人
* 定まっていない不確かなことに可能性を見出すことができる人
* 対話の中から生まれてくる新たな何かにワクワクすることができる人
* アイデアを繋げていくことに喜びを感じることができる人
* リゾート地での学びと遊びを楽しむことができる人

参加した人たち全員が、来た時よりも元気になって帰っていく。これまでと同じく今年もそんな学会にしたいと思っています。皆さんのご参加、お待ちしています。

脳とリハビリ研究所ディレクター
CBR2015 企画・監修
坂本年将

垂直軸において異なる文化

先日、うちの卒業生で、今、大阪大学の医科学修士課程(MPHプログラム)にいる加葉田くんと話をした。理学療法士(PT)や作業療法士(OT)が大学院に行くとなると多くは公立の保健学系やうちの大学院のようなリハビリ系のプログラムに進むわけだけど、彼はフルタイムでの在学が必要な、言ってみれば「本物の大学院」に進学したわけです。講義も平日朝から晩までみっちりあるようで、バイオ、工学、統計、その他諸々幅広く学んでいるようです。コメディカル出身の人たちは周りにいるみたいだけど、PTやOTはいなくって、先生たちは医学部や理学部の出身者が多いようです。僕も博士課程はPTやOTのいないところでやったので、やっぱそういう経験している人と話をすると通じることが多くて盛り上がりますよね。加葉田くんとは彼の学生時代から「その手の話」をしてきたので、今、それを実際に経験することでその意味を確認してる段階だと思うんですけど、僕の場合は、そういう経験した先生や先輩が周りにいなかったので、大変だったというか、毎日が発見の連続だったというか、垂直軸において異なる文化を体感した覚えがあります。それにしても、人に自分のバックグラウンドを「理学療法です」と言うのを躊躇うことで共感するのも何だかなぁと思うよね...笑

2015年6月16日火曜日

昼夜に渡る弾丸トーク

東京での学会があったりしてちょっと間が空いてしまったのですが、CBR2015のプログラム初稿をアップしました。こちらからダウンロードできます。2013年から毎年、淡路夢舞台で開催している脳とリハビリ研究所(CBR)の学術集会です。9月12日・13日の開催です。若手セラピストのリーダー格の人たちに全国から集って頂き、ざっくばらんな雰囲気の中、脳とリハビリについて激しく語り合うカンファレンスです。おそらくですが、我が国のリハビリ系学会の中では最も「何でもあり」な学会ではないかと思います。とは言ってもハチャメチャというわけではなくって、結構レベル高いんですよ。昨年の参加者からは「尋常ではない刺激を得た」とか「ゆるく濃い学会」とか「こんな学会は初めてだ」といった感想を頂きました。今年は12名のスピーカーが2日間、昼夜に渡り弾丸トークを飛ばします。一般演題も募集します。参加者定員は50名限り。申込の受付開始は7月1日を予定しています。

2015年6月15日月曜日

不都合な真実

さてさて月曜日がやって来ました。weekday です。頭の中にはあと3つくらいあるんですよね。東京ネタの学会雑記^^。それで今日は何を書きたいかというと、研究者の誠意のこと。発表のスタイルはいろいろあって良いと思うけど、中には触れたくないところをスっ飛ばして、用意したストーリーに当てはまりそうなデータにだけフォーカスさせるような発表も幾つかありました。「皆さん、ここを注目して下さい!」とか言ってスライドの一部をポインターでハイライトして、その隙に鳩を出す準備をするのです...。うまく聴衆の気を引きつけることができればこういうのも面白いトークになるのかもしれないですが、学会発表の場合は手品みたいに全部を隠すことは出来なかったりするので、その人たちにとっては不都合な真実に気づく人も何人かはいるんですよね。家とか保険とか車売ってる営業マンのセールストークもこんなのが多いかもしれません。明らかにほかの解釈も成り立つような時に一つの解釈を無理に採用する必要なんてないと思うんだけど。。。「何とも言えない」というのでは体裁が整わないと思っているのかもしれないけど、考えられる可能性にはすべて言及した方がステキだと思うけどね。

2015年6月14日日曜日

かなり面白かったです

ほんとはまた今夜も学会(先週あった東京での理学療法学会)の話をしたいんだけど、日曜日だしあんまり仕事の話持ち出すのも気が引けるので違う話をしよう。今日、Facebookで流れて来た記事でこんな動画を観た。



「第2ドイツテレビ(ZDF)」というドイツの公共放送局(NHKみたいなものだと思う。ドイツに詳しい人がいれば教えて下さい)が作ったドキュメンタリーのようなんですが、かなり面白かったです。普段、30分もの動画を最後まで観ることはないんですけどね。。。

僕は政治的なことに特に興味があるわけではなく、テレビの報道番組も観ないので原発のことがどのように放送されているのかよく知らないのですが、たぶんこの作品で語られているようなことは放送されていないんじゃないか。

僕自身はただ良く分からないので原発存続に賛成でも反対でもなかったのですが、これを観ると日本の原発というのはずいぶん危なっかしいものに思えます。「嘘も方便」と言うけど、東電やら政府やらが国民にウソをつくことでほんとに国民のためになっているのでしょうか。

なんで嘘つくんだろう?

この動画は3年以上前にYouTubeにアップされているんですが、再生回数はまだ20万回ほど。拡散しないのもスゴい不思議。ひょっとするとドイツの国民の方が日本のことよく知ってたりして...(笑)

ここで報道されている内容をどう解釈するかは個々の自由だとして、観ておく価値はあると思う。

2015年6月13日土曜日

58%が不合格

先日の水曜日に「理学療法研究論」の中間テストを返却しました。3年生のクラスです。平均点が70点くらいになるつもりで問題を作ったのですが、終ってみれば57点になりました。比較的優秀な学年なので問題ないかと思っていたのですが、予想以上に難しかったみたいです。得点はやや2峰的ではありましたが正規分布していて50点台がボリュームゾーンになりました。大学では80点をA、70点をB、60点をC、60点未満をDとする評価基準があるのですが、これに従えばクラスの58%の人たちが不合格となります。人数にすると20名以上ですね。3年生なので再履修となれば4年生の臨床実習も行けなくなり、このままいくと大量の留年者を出す事態となります。このような場合はどうすれば良いのでしょうか?一般的には合格させることを目的とした再試をするのでしょうが、僕の場合は小テストやら期末テストやら学期中に何度もテストをしますし、また extra で試験をするとなると学生にとっても教員にとっても余分な「手間」がかかりますので、僕はこのような場合はいつも合格点を左にずらします。つまり合格点を55点とか50点に移動させるのです。よく「60点未満は不合格だ」と言ってる教員を見かけますが、「60点」と言っても何を100点とするかによってその60点は変わってきますよね。とても当たり前のことなんですが、ココ、多くの人が見落としてます...。

2015年6月12日金曜日

ゴロゴロあるようで

まだまだ続くよ学会報告。ででんどどん。ででどどででどど。ででんどどん。今夜は昨夜と同じく演題発表を聞いて回っての感想を追記したいと思います。先週東京であった日本理学療法学会です。人間の行動中の神経活動(あるいはその類い)を記録した研究も最近ではゴロゴロあるようで、fMRI とか光トポとか脳波とかTMSとかいろいろあるんですよね。ま、僕はどれも自分で操作したことがないので測定の技術的なことは分からないのですが、すでに十分に知られている理論に沿うような形で神経活動の解釈してる発表って結構多いんですよ。たとえば運動の開始前に脳のある領域が活動すると。そして、運動の開始前にはその運動を計画する段階があるので、その活動は運動を適切に実行するための運動プログラミングに関与することが示唆される、といったような内容です。たとえばの話。ま、確かにこういうのって解釈の一つの可能性としては成り立つわけだけど、僕から見ればちょっと easy な感じするんですよね。ある特定の時間帯に細胞が活動してたとしてもその細胞が活動する目的っていろいろ考えられるわけで、その目的をティーズアウト(tease out)していく検証実験もやらずに一つの可能性だけを考察として採用するってところがですよ。もちろんその考察がオリジナルなものであれば仮説を提起すること自体に意味が出て来るわけだけど、そうじゃないんだよね。たぶん、その手の研究って、初めから結論ありきで、結論に沿うような結果を誘導してるというか、言ってみれば当たり障りのない好都合な現象を探し回ってるんだろうね^^。皆さんはどう思います?

2015年6月10日水曜日

少し違ったアングルから

さて、ここ数日先週の学会に関する話が続いていますが、まだまだ書きたいことあるんですね。今日は僕が聞いてまわった演題の話しましょうか。今回は大きな会場での話はあまり聞くチャンスがなく、「運動制御・学習学習」のセッションを中心に研究報告を聞いて回りました。全部で10回以上は質問したと思うんですけど、やはり「何か質問できることはないか」と考えながら話を聞くと身が入ります。若手の皆さんもそうやって学会出席すると学びの質が高まりますよ。僕の場合は怠け者なのかもしれないですが、全部その場で話を聞いてその場で質問するようにしています。抄録は読みません。もちろんほとんどは専門外の内容なので込み入った方法論に関する質問はできませんが、それでもあちこち入って行けるところは見つかるものです。ざっくりとした印象ですが、電気刺激を使った研究がたくさんありました。刺激して運動系の機能がどう変化するかをみたものです。あと「半球間抑制」に関するものも何題かありましたね。今、ちょっとした流行りなのでしょうか? 確かに電気刺激したり半球間の抑制が取れたりすると運動機能が向上したりするのでしょうが、実際にどういうことが脳で起こっているのか良く分からないので僕としては何とも言えないですね。でも、セラピストによる human neurophysiology の研究のパターンが少しずつ見えてきました。アクティブに活動しているラボの数も少なくて狭い世界であることは確かです。同様なテクノロジーを使うかどうかはさておき、僕のラボも少し違ったアングルから今後この市場に参入できると良いですね。もっと大学院生来ないかな?

2015年6月9日火曜日

これから本番だね

昨夜は東京での学会が盛況だったことを書いたのですが、今夜はその続きで一般演題発表のお話を。僕のラボからは一題だけエントリーしてました。3日目「運動制御・運動学習6」のセッションです。このブログやFacebookで力を入れて宣伝していた甲斐あって会場は超満員。全部で6題の発表があったのですが、立ち見の数は僕らの時がピークでした。金沢大学の浅井仁先生にも質問してもらったりして、会場の反応としては「面白かった」と言ってくれる人が多かったですね。ま、僕に面と向かってケチつける人もそんなにいないだろうから話半分に聞いてはいるけど、今後の展開は楽しみです。今回は身体に関わる表象形成の話から入っていき、鏡を使った実験をして、結果の解釈のところで記憶とリアリティーの話に辿り着きました。現実と非現実のお話です。仮説としてはなかなか良いものが出来たと思うし、うまくいけば今回のミラーセラピーに限らずリハビリ治療一般に影響を及ぼす予感すらあります。ひと月前には思ってもみなかった展開でなんかワクワクしてきました。これから検証実験をやっていきますんで、皆さんどうぞお楽しみに。

2015年6月8日月曜日

大盛況でした

さて、学会は昨日をもって終了しましたが、ここであったことをいろいろ書いていかなくてはなりません。いやいや別に「何があった」というわけでもないんですが、せっかく行ったからにはその時見えなかったものその時気づけなかったことも含めてブログを書きながら自分で気づいていくわけです。そして今回掛けた経費の元を取っていくわけです。。。で、今夜は、私が直接関わった座長のセッションと私のラボからの口述演題発表について少しばかり。。。結論から言えば、どちらも大盛況やったんですね^^v。座長の方は400〜500席あったお部屋に立ち見がでました。1時間にわたるセッションでしたが、あっという間。質疑応答の時間ももちろん足りませんでした。ま、一番の見せ場は2題目の痛みの演題に対するQ&Aだったかもしれません。僕が発表者にした質問が難しかったみたいで彼女が言葉に窮してしまった。で、そこで終ってしまってたら何か僕が若い人をイジメてるみたいに見えてしまったところだったんだけど、彼女を救うべく共同研究者たちが次々登場。途中からボスの松原さんと僕との間でのやりとりとなり、結局は活発で有意義な討論となりました。そうなんです。別にイジメたいとか難しいことを聞きたいとか思ってるわけじゃなくって、大事なことを聞き出して会場の皆さんとその喜びを分かち合いたいだけなんです...。さて、我々の演題発表の方はと言えば、こちらもまた超満員、もちろん立ち見もワンさか出たわけなんですが、長くなってきたのでこちらはまた別の機会に。

2015年6月7日日曜日

「ブログ読んでます」

神戸に帰って来ました。東京と言っても近いもんです。新幹線でわずか2時間50分。ま、家に辿り着くまではもうちょっとかかるけど、本でも読んでたらあっと言う間ですね。今回、いろんな人たちと会いましたが、挨拶がわりに言われたことは「ブログ読んでます」ってこと。いや〜、ほんとブログを書き続けてきて良かったです。「動画観てます」って人もそのうち40%くらいはいたね。初対面の人とも何人かお話したのですが、ブログを軸に繋がっている人たちって初めて会ってもかなり深く繋がってたりするんですよね。これは前にも書いたことがあるんだけど、このブログって好き嫌いが必ず出ると思うんです。ですが、そのうち何パーセントかの人たちはちゃんと深読みしてくれていて、「悶々としたことがある」と言いつつ、もの凄い楽しそうな顔して僕と話して下さるんですよ。ま、そういう人たちは業界でもかなりマイナーな人たちだと思うんだけど、全国的にそういう人たちが集まれば必ず一つの確たる勢力になることを確信した学会になりました。「勢力」なんて言っちゃうとなんか政治的な感じがするけど、別に政権を担おうとかそういうことを言ってるんじゃなくって、一つの面白さのジャンルを確立できるだろうというだけですけど^^

2015年6月5日金曜日

0日目終了しました

長い一日が終わりました。今日はほんとに天気が良かったですね。梅雨入りしたはずなのに、スカッと空へと抜けていく透明感。日中は暑いくらいでしたが、夜は半袖では寒いくらいスッキリしてました。オリックス、巨人相手にまた負けちゃいました。。。泊まっているホテルの窓からは皇居やら国会議事堂やら最高裁判所やら東京タワーやらが見えます。東京に滞在するのは2年半ぶりでしょうか。MITの特許案件の訴訟で知財高裁に証人(scientific witness)として出廷して以来だと思います。その時はゆっくりこの近辺を歩く時間もなかったので、今回は少しぶらっとしてみたいですね。でも、たぶんそんな時間はないんだろうね。学会も楽しみですし。東京満喫の出張旅行。0日目終了しました。

2015年6月3日水曜日

おそらくスパムに...

さて、いよいよ明日から東京です。学会は5日からなんですが、朝早いので前泊します。週末にかけては学会関連、東京見物関連のブログならびにFacebookへの投稿が増えると思います。去年もそうだったんですが、FBへの写真アップはおそらくスパムに近い形になると思われます。とても迷惑だという方も少なからずおられるかと思いますが、2、3日のことですのでどうかご容赦下さい。2年前のこの学会(理学療法全国学会)から学会活動を再開したわけですが、昨年は「運動制御・運動学習」のセレクション演題という枠で座長をさせて頂きました。10年以上もご無沙汰してたのによく依頼して頂いたものだと思います。おそらくこのブログ等での雑談なんかをご覧になられてのことだと思いますが、ご依頼頂いた皆様には感謝いたします。そしてそして今年も同じく「運動制御・運動学習」のセレクション枠にて座長を務めます。こちらの方は6月6日(土)12:30〜13:30 Bブロック第5会場となっております。6月7日(日)10:50〜11:50 第7会場「運動制御・運動学習」での一般発表演題と合わせて宜しくお願い致しますmm

2015年6月2日火曜日

理想的なコラボレーションだな

ようやくスライドと発表原稿が仕上がりました。5日〜7日まである東京での理学療法全国学会です。僕は4日に東京入りします。学会発表のためにスライド作ったり原稿書いたりしたの何年ぶりかな?講演とかセミナーとかはやってきたけど、一般演題の発表はほんと久しぶり。ま、今回も僕が登壇するわけじゃないんですが、発表の理論立ては自作と言えます。理想的なコラボレーションだな。山崎先生がテーマを持ち込み、彼の職場でデータを取ってもらって、僕がアカデミックな部分を固めてプロデュースするという共同作業です。今後、もちろん英語で論文を仕上げていくことにもなるわけですが、その論文化、英語化のパートも僕の仕事になってきます。こういう研究の仕事の仕分けについて学んだのはMITにいた時なんですよね。それまでは、僕が知る「教授」と呼ばれるような人たちは、特に日本においては、偉そうにして下の者たちから搾取する人たちだという認識しかなかったのですが、きちんと研究の専門家としてふさわしい役割を果たしている人たちもいるところにはいるんだということを知ったのです。そりゃもちろん、どんな世界にも邪な心は存在するわけだけど、程度(レベル)の問題はあるよね。やっぱ、僕的にカッコ悪いのだけは嫌だな。

2015年6月1日月曜日

当時から冷めてたんだよね

今日から6月。4年生が臨床実習(Ⅰ期)から帰ってきました。みんな元気そうでなりよりです。年々、実習を乗り切るノウハウが蓄積されてきているようで、それなりに大変なことはあるだろうけど、学ぶべきものをちゃんと学んできているようです。実習地のスーパーバイザーも若返りが進んでいて、僕らの時代にはよくいたスパルタ的な人の数も少なくなっているみたい。ま、臨床実習のわずか2ヶ月かそこらで特訓したところでそんな急に変わるものではないし、僕自身の経験からしても、結局のところはそういうのって大して意味のない厳しさなんだよね。あ、誤解のないように申し添えておくと、僕の実習自体はとても充実してたんですけどね。めちゃ楽しかったです^^。でも、同じ実習地で苦戦してた同級生に確か「こんなん長い目でみたらどうでもええことやって」ってアドバイスしたの覚えてる。当時から冷めてたんだよね...笑