神戸学院大学 総合リハビリテーション学部 准教授 坂本年将のブログです。日々の生活についてアレコレ書いていきます。専門は脳科学(PhD)とリハビリ(理学療法士)です。脳とリハビリ研究所 Facebook ページ https://facebook.com/cbr.jp
2015年7月5日日曜日
もうひとつのトランスファーパッケージ
今日は学会で尼崎市に。兵庫県の理学療法学会です。僕の仕事は午後のセッションの座長だったのですが、せっかくなので朝のプログラムにも参加しました。ニューロリハビリテーション(CI療法)の講演では「トランスファーパッケージ(transfer package)」という言葉を学ぶことができました。患者さんがリハビリ治療で学習したことをいろんな日常動作に応用できるようにするための仕組みのことを言うようです。以前にこのブログで「行為間比較」という言葉(患者の行為を時系列において評価すること)も取り上げたことがありますが、いろんなリハビリ語がありますよね。この講演の後に地域包括ケアのシンポジウムもあったのですが、未だに僕はこのシステムのことがよく分からないのです。いや、も少し正確に言うと、全く分からないというわけではなくって、話を聞いた時にはなんだか分かった気になるのですが、帰りの車の中でいつも「結局なんだったんだろ?」って思うわけですよ。これまでの地域リハ = 病院外リハビリテーションと何が違うんだ?と。生活志向型のリハとかQOL志向型のリハとかいろいろあるのは分かるけど、そんなの昔から言われてることじゃないですか。要するに、患者の病院滞在日数を減らしてどうやってリハビリの質を維持するかってことですか? ? 実のところは、全国各地のいろんな研修会で僕と同じこと感じている理学療法士は相当数いるんじゃないかと思うけど。。。でも一つ確かなことは、医療や介護が患者を最後まで責任を持って診ようとすると、ケガや病気の急性期から、回復期、維持期、退院後などと、リハビリのステージに応じてリハが行われる場所やそれに関わる人たちは変わるってことなんですよね。つまり患者は何回もトランスファー(居場所が変わること)を経験するってことなんだけど、ここの繋ぎ(リレー)はやっぱコミュニケーションスキルやら信頼関係やらが深く関わってくるところがあるだろうからなかなか簡単にはいかないのかもしれないね。そういう意味では、地域包括にも(あるいは地域包括にこそ)「トランスファーパッケージ」なる言葉や仕組みが必要とされているのかもしれません。
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