神戸学院大学 総合リハビリテーション学部 准教授 坂本年将のブログです。日々の生活についてアレコレ書いていきます。専門は脳科学(PhD)とリハビリ(理学療法士)です。脳とリハビリ研究所 Facebook ページ https://facebook.com/cbr.jp
2015年7月23日木曜日
SpeculationとReasoning
今日、タイムラインでspeculationとreasoningの違いを述べたリハビリ関連の記事が流れてきた。ちょっと気になったので読んでみると、speculationは「特に根拠のない憶測」で、reasoningは「根拠のある推測」といった趣旨でした。だから臨床ではできるだけspeculationではなくreasoningをしなくちゃいけないということなのですが、僕はちょっとしっくりこなかったんですね...。ま、だからちょっと気になったんでしょうけども、speculationって確かに確たる根拠なく(実験データなどがなく)アレコレ考えることなんですけど、そんなにネガティブな意味はないように思う。論文の考察なんかで確証的でないことを空想的に論じたりしてると「まだ証明されていない」という意味を込めてspeculativeと釘を刺すことはあれど、スピーカーに質問する時などは Can you speculate? ってよくお願いしますよ。想像力を働かせていろいろ考えるってことでもあるし、その考えが必ずしも非論理的なものとは限らない。論理的にspeculateすることだって出来るというか、サイエンスに関わること考える時にはspeculationとは言えど論理的であることが前提だと思うんですね。逆にreasoningが本当に根拠に基づいたものかと言うと、必ずしもそうではなく、根拠の薄い理由づけ(reasoning)も普通にあると思う。クリニカルリーズニング(臨床推論)って、ほとんど確たる根拠(データ)なしに経験論的になされる行為じゃないのかな。もし考える余地のないほどデータがばっちり揃ってたら推論する必要ないじゃないですか。不確かなことをspeculateすることでreasoning(臨床推論)が成り立つんだと僕は思う。
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