2015年12月6日日曜日

臨床に役立つ視点

今週末は徳島文理大学保健福祉学部人間福祉学科の桃井克将先生とCBRセミナー「福祉専門職のための脳科学」を開催しました。文理大は徳島と香川にキャンパスがあるのですが、今回は徳島キャンパスでの開催でした。精神保健福祉士の方々を中心にお集り頂きました。僕の方から約1時間の講義を3つ行い、桃井先生からはオリエンテーション(セミナーの目的に関する説明)と演習のための事例紹介をして頂きました。講義では受講者の皆さんが脳の専門的なことは全く知らないことを前提に基本的なことをお話しましたが、レベルは落とさないように気をつけました。統合失調症などの精神疾患についてはまだまだ分からないことがあり、病理に基づく医療・支援活動を展開することは現時点では難しいのですが、脳の仕組みを知ることで少しでも患者を理解する手がかりが得られればと思います。今日受講者の皆さんとお話したことでもあるのですが、治療者が病状を理解してもその病状が直接変わることはないのですが、その患者さんに対する治療者の態度はきっと変わると思うんですね。10年ほど前だと、病状を理解しただけでは「何も変わらない」「不変だ」「それで?」みたいなことを言う熱血療法士が多かったように思いますが、最近はそうでもないように感じます。知識を得ることで患者を直接変えられなくても患者に関わる人の気持ちを変えることができる。コレ、臨床に役立つ視点だと思います。

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